選手名(ふりがな) | 性 | メダル | 競技 | 種別・種目 |
---|---|---|---|---|
荒川 静香 (あらかわ・しずか) |
女 | 金 | フィギュアスケート | 女子シングル |
フィギュアスケート女子シングルの表彰式で、メダルを手にカメラマンにポーズをとる優勝の荒川静香(イタリア・トリノ)
優勝候補に挙げられたコーエン(米国)が崩れ、スルツカヤ(ロシア)もジャンプで転倒した。完ぺきな演技をし、生き残ったのが荒川だった。ショート・プログラムで0・71点差の中に3人がひしめく接戦を制し、見事に金メダル。トリノ大会日本勢初、そして唯一のメダルでもあった。
ほぼノーミスの演技。足を前後に開いて真横に滑りながら、上体を大きく後ろにそらすイナバウアー(レイバック・イナバウアー)でも魅了した。イタリアの歌劇「トゥーランドット」の曲に乗り、4分間のあでやかな舞い。2004年の世界選手権で優勝した時に使った曲が、彼女を再び世界の頂点に押し上げてくれた。
宮城・東北高時代に長野大会で13位。ソルトレークシティー大会の出場は逃したが、世界選手権に勝ったことで競技生活に区切りをつけようと思っていた。だが、周囲は2年後のトリノを目指せという。心は乱れた。吹っ切れたのは、05年の世界選手権で9位と惨敗してから。「このままでは終われない」。復活へ向け、気持ちは固まった。
トリノ五輪のフィギュアスケート女子シングル、金メダルを獲得した荒川静香の華麗な自由演技(イタリア・トリノ)
五輪代表選考の重圧や新採点方式への対応に苦しみながらも、8年ぶりの代表切符。何も分からずに長野のリンクに立っていた16歳のころと違い、今回は勝負する五輪だった。ただ、決して気負わず「雰囲気を味わえればいいなと思った」。自然体の勝負師、といった境地だったのだろう。
「過去の試合のことが頭をよぎった。ここで滑っている4分間が、わたしの集大成になるんだな、と…。五輪を精いっぱい楽しめればいいと思っていたので、金メダルなんて信じられない。ただただ、びっくりです」
「クールビューティー」と言われる笑顔を振りまく。アジア選手として、五輪フィギュア史上初の金メダル。まばゆい黄金色が、誰よりもよく似合った。
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