ソチ五輪２０１４

スピードスケート男子５００メートルで銅メダルを獲得した井上純一（フランス・アルベールビル）

　すい星のごとく現れ、メダルをさらった。日大2年時に出場した初めての五輪で、37秒26を出して3位。銀メダルの黒岩敏幸とともに表彰台に立った。スケートでは日本勢初の複数メダル。優勝したマイ（ドイツ）の横で、大学の先輩と後輩が会心の笑みを浮かべた。

　3組目に滑り、いきなりトップに。右手で何度もガッツポーズを繰り返した。100メートルは10秒05と出遅れたが、中盤からぐいぐい加速。コーナーでもスピードは全く落ちなかった。後で走った黒岩の刺激にもなり、好タイムを引き出した。

　前年に腰を痛め、五輪代表の座が危ぶまれたことも。コルセットをつけて練習をした時期さえあった。そんな状態からはい上がり、初舞台で周囲を驚かせる銅。五輪の独特の雰囲気を、自分の力に変えてみせた。