選手名(ふりがな) | 性 | メダル | 競技 | 種別・種目 |
---|---|---|---|---|
笠谷 幸生 (かさや・ゆきお) |
男 | 金 | スキー・ジャンプ | 70メートル級 |
スキージャンプの笠谷幸生(北海道札幌市)
1972年2月6日。札幌は、年に1度あるかないかの好天になった。無風、抜けるような青空の下で、日の丸飛行隊の赤いウエアが栄えた。笠谷が金、金野が銀、青地が銅。日本勢冬季五輪初の金、そしてメダル独占の快挙が成し遂げられた。
1本目。笠谷はタイミングよく飛び出すと、スキーの先をぐいと持ち上げた。何と叫んだか、口も大きく開いた。深い前傾姿勢を保ち、きれいな着地。84メートルの最長不倒を飛んで首位に立った。
2本目は飛び出しにいささか精彩を欠いたが空中でスキーを整えて飛距離を79メートルに伸ばした。掲示板の上位に「JPN」の文字がずらりと並ぶ。2万5千人で埋まる宮の森シャンツェが歓喜と興奮の渦に包まれた。
スキージャンプ70メートル級表彰式、喜ぶ金メダルの笠谷幸生(中央)ら日本勢(北海道札幌市)
金野、青地とともに、笠谷が表彰台の中央に立つ。日本中の期待を背に、見事にそれを成し遂げたわりに表情はぎこちなかった。両手を挙げ、はにかんだような笑み。もう一度控え室に戻った時には、いつもの無表情に戻っていた。
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