途上国の「複合危機」へ支援を 開発金融機関の融資拡大焦点に―G20

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世界銀行(左)と国際通貨基金(IMF)(右)の本部ビル=2020年9月、ワシントン(AFP時事)

 【ワシントン時事】インド・ニューデリーで9、10両日に開催される20カ国・地域首脳会議(G20サミット)では、世界銀行やアジア開発銀行(ADB)といった国際開発金融機関(MDBs)の融資能力拡大による途上国支援の強化が大きな議題となる。途上国は食料不足や気候変動、過剰債務問題に併せて見舞われる「複合危機」に直面。大規模かつ包括的な対応が国際社会に求められている。

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 特に低所得国では近年、気候変動による干ばつや洪水の深刻化で農業が大打撃を受けており、これにロシアのウクライナ侵攻による穀物価格高騰が追い打ちをかけた。食料不足は社会を混乱させ、政情不安や難民の増加などを招きかねない。
 低所得国は多くが過剰債務を抱え、複合危機への対応が自力ではままならない状況だ。巨大経済圏構想「一帯一路」を掲げ、低所得国向け融資を拡大させていた中国も、自国の経済不振もあり、こうした貸し付けを今は抑制しているとされる。
 そんな中、MDBsや国際通貨基金(IMF)の支援拡大に対する期待が高まっている。世銀やIMFの最大出資国である米国は中国に対抗する思惑もあり、借り入れ国の負担が少なく、透明性も高い国際機関による融資を通じて「米国のリーダーシップを体現し続ける」(サリバン大統領補佐官)意向だ。
 ただ、G20の専門家グループは、途上国開発には追加で年間3兆ドル(約440兆円)程度の支出が必要とはじく。巨額の資金需要はMDBsだけでは賄えない。
 バンガ世銀総裁は8月末の会合で「1政府にも1機関にも数兆ドルの資金はない」と強調。MDBsのほか「市民社会や援助団体、民間セクターも力を合わせる必要がある」と訴えた。

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