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東アジア文化都市の盛り上げに、民間の力は欠かせない。
静岡県が主体となって行う事業のほかに、県内の自治体や民間が主催するイベントも、県の認証を受けて参加することができる。NHK大河ドラマ「どうする家康」で徳川家康役を務める松本潤さんが登場する5月の「浜松まつり」や、静岡市の一大イベントである「大道芸ワールドカップin静岡」などのほか、民間団体や企業などによる芸術祭や産業イベントなども盛りだくさんで、県は「県内全域を舞台にして1年間途切れることなく幅広い分野から日本文化を発信していきたい」と意気込む。
無人駅の茶畑に巨大オブジェ出現!

芸術祭のオブジェ
見渡す限りの茶畑が広がる山間の街、島田市川根町。大井川沿いに走る大井川鉄道「抜里駅」の駅舎には、雪だるまか地蔵のような高さ1メートルほどの真っ白いオブジェが赤いじゅうたんの上に鎮座していた。駅前の茶畑の中には同じ形の巨大なバルーンアートも。少し視線を移すと、円形のベンチの上で大きな白いカーテンが風になびいていた。
これは、島田市と川根本町にある大井川鉄道の五つの無人駅を入り口に、それぞれの集落全体を舞台とした「UNMANNED 無人駅の芸術祭/大井川」(2月23日~3月19日)の作品の一部だ。6回目の開催で、今年は「東アジア文化都市2023静岡県」の事業として認証された。「アートによる地域再生」を目指したイベントで、アーティストが作品を展示するだけでなく、地域の人々と協力しながら作製・発表していくのが特徴だ。
アート作品、地域も協力
白いオブジェは期間中、「里子」のように地域住民の家を転々とした。それぞれの家庭では「お米ちゃん」「おもちちゃん」など思い思いの名前で呼ばれたという。バルーンアートは地元の人たちが素材の縫製などに協力し、天候などを見ながら出したり、しまったりの判断も任されていた。

山頂にできた展望台
抜里駅前から茶畑を抜けてしばらく歩くと、細い山道へと入っていく道が示されていた。地元の人たちが歩きやすいように整備してくれているものの、細く急な上り坂もある。順路に沿って歩くと、斬新なアート作品が待ち受ける。頂上では木で組んだ展望台が設置されており、一面に広がる茶畑と街並み、大井川が一望できる絶景ポイントとなっていた。
来場者3万人超、海外からも
最終日の3月19日は日曜日で天気にも恵まれたことから、主催者が用意したスタンプラリーの台紙を手にした家族やカップルなどの姿が多く見られた。作品ごとにスタンプが用意され、集めた数により地元温泉施設の割引券やプレゼントがもらえる。町外からの来訪者も多く、茶畑のベンチでは親子連れが作品に座ってポーズを取り、笑顔で写真を撮り合っていた。
イベントを主催したNPO法人「クロスメディアしまだ」の大石歩真理事長によると、イベント期間中に約3万人が来場。県外から訪れた人も多く、来場者からは「新型コロナウイルス感染拡大で来られなかったが、やっと来られてうれしい」、「地域の姿を見ることに興味がある」といった声が寄せられたという。今年は海外のお客さんの姿もあったといい、大石理事長は「東アジア文化都市2023静岡県をきっかけに、アジア全域の人たちと交流を加速していきたい」と話した。
「模型の世界首都・静岡」アピール

ホビーショーの会場になるツインメッセ静岡
模型の世界首都・静岡をアピールするイベントも、東アジア文化都市2023静岡県の認証プログラムとなった。プラモデルや鉄道、ラジコンなどの模型のメーカーが一堂に会して新製品の発表などを行う日本最大級の展示会「静岡ホビーショー」だ。1959年から続いており、世界中の模型ファンが注目するイベントだという。今年は5月10日から14日までの5日間、静岡市駿河区のツインメッセ静岡で開かれる。
10日と11日は「業者招待日」で、タミヤ、BANDAI SPIRITS、青島文化教材社、ハセガワなどの出展メーカーが新製品を展示し、国内外のバイヤーと積極的に商談を展開する。12日が小中高生招待日、13日、14日が一般公開日となっている。入場にはいずれも事前登録が必要だ。

静岡ホビーショー
小学生7割「作ったことない」
このうち、小中高生招待は静岡県の児童・生徒が対象。生まれたときから身近にデジタル機器がある「デジタルネーティブ」と呼ばれる世代の子どもたちだ。プラモデル自体を知らない子どももいるといい、小学生を対象にしたある調査では、プラモデルを作ったことがないとの回答が7割に上ったという。ホビーショーを視察した川勝平太静岡県知事の提案で、2019年から子どもたちを対象にした招待が始まった。
招待日には、プラモデルを製造する機械を会場に搬入。金型を作ってプラスチック樹脂を流し込み、プラモデルのパーツが完成するまでの工程を見ることができ、出来たてを持ち帰れるようにする。模型に触れてもらうワークショップやプラモデルを作ったりラジコンを操縦したりできるイベントも開く。
13日と14日の一般公開日は、国内外の模型ファンが自分たちで作った作品を持ち寄る合同作品展も開く。東アジア文化都市の参加国である中国、韓国と米国や台湾などから計60人以上が集まる予定だ。主催団体である静岡模型教材協同組合事務局の宮島一孝さんは「静岡県ならではのコンテンツである模型・プラモデルを世界の人たちにアピールしたい」と語る。
認証事業、募集今後も
こうした認証プログラムは県内自治体と民間の事業が対象で、認証を受けるとロゴマークの使用が可能になるほか、県の特設ホームページ内で紹介される。申請は、ホームページの入力フォームからも受け付けている。また、民間団体に対して助成制度も設けている。県は「認証マークが付いていたら、東アジア文化都市2023静岡県の関連だと思ってもらえれば」としている。

認証プログラム申請の流れ